香川衛星開発プロジェクトSTARS

人工衛星とどうやって情報交換するか

人工衛星は宇宙空間を飛んでいます、その人工衛星に「写真を撮りなさい」などの命令をしたり、撮影した写真を地球に送り届ける為に「電波」を利用しています。
私たちが普段使っている、テレビ、ラジオ、携帯電話、なども同じように「電波」を使って情報のやりとりをしていますよね。
「電波って何ですか」の説明はちょっと難しくなってしまうので、ここでは電線を使わずに情報を運んでくれる便利なものとしておきます。(興味のある方は電波についてもいろいろ調べて勉強してください)
電波にはいろいろな性格があります。

電波の速さ

電波の速さは光の速さと同じです。1秒に約30万キロメートル(地球を7回り半)します。ですから遠くの人と電話で話しても隣にいる人と同じように話すことができます。

電波はまっすぐ進みます

電波はまっすぐしか進めません。ですからビルの陰などではテレビが映らない場所ができたりします。
電波はものに当たると反射します
まっすぐしか進まない電波を使っているのに家の中で携帯電話がかけられるのは、いろいろなところに跳ね返った電波が家の中まで入ってきているからです。

電波は波の性格を持っています

「周波数」とか「チャンネル」とか言う言葉を聞いたことがありませんか。電波はその名前の通り「波」の性格を持っていて、1秒間に何回振動する波か(大きな波か細かい波か)によって少しずつその性格が変わってきます。
すごく簡単に言うと、周波数の低い電波は遠くまで伝わりますがあまり多くの情報を運ぶことができません。
逆に周波数の高い電波はあまり遠くまで届きませんがたくさんの情報を運ぶことができます。
たとえばFM放送は限られた範囲しか聞こえませんが、普通のAMラジオより良い音質で音楽などを聴くことができます。
 
電波を利用する主なものは下のような周波数の電波を使っています。
ラジオは1000キロヘルツ(1秒間に1,000,000回振動)
FM放送は80メガヘルツ(1秒間に80,000,000回振動)
テレビは400〜700メガヘルツ(1秒間に400〜700,000,000回振動)
衛星放送11ギガヘルツ(1秒間に11,000,000,000回振動)
携帯電話は700メガヘルツ〜2ギガヘルツ
(1秒間に700〜2,000,000,000回振動)
これらの性質を考えて、STARS2では、衛星からのデータの送信に437メガヘルツの電波を使っています。

モールス信号の話

電波で情報を伝える方法にもいろいろな方法があります。
・ラジオのように音を電波に乗せて運ぶ方法、
・ちょっと前まで放送されていたアナログテレビ放送のように画像データを電波に乗せて運ぶ方法、
・現在のテレビ放送や携帯電話のように音や映像をデジタル化(画像や音声をいったん数字やアルファベットの集まりに変換して運び、受信した後に再び画像や音に変換する)する方法があります。
STARSUでも地上から命令を送ったり、衛星からいろいろなデータを送る時にはデジタル化して情報を送っています。
STARSUではこれ以外にもう一つ別の方法で衛星の情報を地上送って来ています。
みなさんは、「モールス信号」と言うものをご存知ですか?
ピー、ピッピッ…というように、「ピッ」(短い音)と「ピー」(長い音)を組み合わせて作った符号のことです。
その昔、通信手段が手紙中心だった19世紀初頭に、アメリカの画家・サミュエル・F・B.モールスさんが発明したことからその名が付けられました。
モールス信号はたった二つの種類の信号で、相手に意思を伝えることができる、大変シンプルな通信手段です。音だけではなく光でも表すことができるため、遠くにいる相手にもメッセージを伝えることができます。
STARS2では、このモールス信号も衛星の状態を地上に届けるのに利用ています。

モールス信号豆知識

船などの遭難信号「SOS」というのは有名ですが、あの映画で有名になったタイタニック号が世界で初めてモールス信号で「SOS」を出したと言われています。
「崖の上のポニョ」では宗介や母・リサが家の沖を走る船上の父・耕一と、ライトの光を使ってモールス信号で会話をしていましたね。リサは、仕事でなかなか帰れない耕一に、モールス信号でキレるというほどのモールス上級者のようです。
モールス信号は頭の中でアルファベットや数字に変換できるようになるまでがなかなか大変です。
リサさんのような助っ人が大学の地上局にほしいですね。

モールス信号の特徴

非常に単純な信号ですので電波の状態が悪い時でも信号を確認することができます。
(人工衛星が香川から遠い上空を飛んでいてデジタルの通信ができなくてもモールス信号は聞くことができる場合があります。)
電波が出ているか、出ていないかだけで信号を作れるので非常に省エネです。
デジタルの信号を送っているものの10分の1程度の電気量で通信できます。
単純ですが、多くの情報を送ることはできません。(1分間に50文字〜100文字程度)
これらの特徴を利用して、STARSUでは香川県の上空でデジタルの通信による情報交換をしている時以外の時間には、モールス信号により最低限の衛星情報を地上に送り続けています。
ですから、この信号は世界中のどこにいても衛星が上空に飛んできた時には受信することが出ます。