◆3.プロジェクトメンバーのAさんが、2014年4月15日にSTARS-IIの撮影にチャレンジしましたので経過を報告してもらいます。
STARS-IIの撮影成功例を拝見していると、天文台の皆さんの技術力はアマチュアの及ぶところではないことが良く分かります。
しかし、アマチュアも頑張らないとということで持てる機材で撮影してみました。
まず、使いなれたHevens
Aboveで飛行コースを確認、撮影時の写野の中心とする恒星HIP 103294を決め、ステラナビゲーターのアニメーション機能を利用しながら、写角や衛星の動きを再現し撮影計画を立てました。
4月15日午前4時過ぎになりました。薄明でかなり明るい状態です。明るさで画像が飽和しないよう適正な露出を得るため、撮影開始直前まで試写を繰り返しました。また精度を高めるため、事前にパソコンとカメラの時間も強制で合わせました。
電波時計をにらみながら、誤差も考慮し通過前後の約2分間余裕を取り、待ち受けでインターバル撮影を開始、かなり緊張します。しかし衛星は高速度で移動するのであっと言う間に通過してしまいました。
さあ、画像のチェックです。予定の時間には何も写っていません。それでは前後はどうかと捜して見ると、数分前の1枚にSTARS-IIらしき衛星の光跡が写っていました。
やったー!さっそく撮影データをまとめて画像とともにプロジェクトに報告しました。
<撮影メモ> インターバル・待ち受け撮影 <撮影日時(露出中央)> IMG_9341
2014/04/15 04:50:58
視野角 12.1°×8.1° 上側が北
<撮影機材> レンズ: Pentax 67, 105mm/F2.5 フィルター: LPS-P2
カメラ: Astro 40D(冷却 Canon EOS 40D)
露出: ISO 1600 インターバル撮影(10秒露出、1秒休止)
プロジェクトからメールがきました。
A 様 ーー略ーー、ソ連の軍事衛星cosmos1271を打ち上げた「ボストーク8A92M型ロケット部分」と思われます。1981-046B、No.12465です。
1981年5月19日打ち上げ。周期95.4分、軌道傾斜角81.23度、遠地点高度514km、近地点高度562kmとなっています。通常4〜5等級で見えることが多いようです。計算による予報時刻より2分以上早いので、残念ながらSTARS-IIではないと思います。
落下が迫っている衛星は、大気の抗力で軌道が変化する傾向が強くなってしまうのですが、新鮮な軌道要素(一日以内)を使っていれば20秒以上ずれることはなかなかありません。
ガーン、失敗してしまいました。自信?はあったのですが。衛星はかなり暗いようで、現状の機材では撮影は無理かもしれません。
しかし、他のロケット部分(R/B)が写ったので、これはこれで一つの収穫でした。スリル満点、またチャレンジしたいと思います。
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