香川大学工学部能見研究室における衛星開発プロジェクトのHPです。


 アマチュア天文家の皆さんへ

 2014年は、大学関係の小型衛星が10機ほど打ち上げられる予定です。
 ぜひ、日頃の国際宇宙ステーション(ISS)の撮影のノウハウを生かして挑戦してみませんか。
 STARS-IIについては、このホームページで情報を提供します。
 小さく暗いので撮影はかなり難しいとは思いますが、可能性はあると思います。
 軌道を調べ、次々と送られてくる情報を基に撮影を行うことには、緊迫感と醍醐味があると思います。日食と同様なドキドキ感が味わえます。撮影できましたら、プロジェクトまでお送りください、フォトギャラリーにてご紹介する予定です。


 参考事例 

3.プロジェクトメンバーのAさんが、2014年4月15日にSTARS-IIの撮影にチャレンジしましたので経過を報告してもらいます。
 
  STARS-IIの撮影成功例を拝見していると、天文台の皆さんの技術力はアマチュアの及ぶところではないことが良く分かります。
  しかし、アマチュアも頑張らないとということで持てる機材で撮影してみました。
  まず、使いなれたHevens Aboveで飛行コースを確認、撮影時の写野の中心とする恒星HIP 103294を決め、ステラナビゲーターのアニメーション機能を利用しながら、写角や衛星の動きを再現し撮影計画を立てました。
  4月15日午前4時過ぎになりました。薄明でかなり明るい状態です。明るさで画像が飽和しないよう適正な露出を得るため、撮影開始直前まで試写を繰り返しました。また精度を高めるため、事前にパソコンとカメラの時間も強制で合わせました。 
  電波時計をにらみながら、誤差も考慮し通過前後の約2分間余裕を取り、待ち受けでインターバル撮影を開始、かなり緊張します。しかし衛星は高速度で移動するのであっと言う間に通過してしまいました。
  さあ、画像のチェックです。予定の時間には何も写っていません。それでは前後はどうかと捜して見ると、数分前の1枚にSTARS-IIらしき衛星の光跡が写っていました。
  やったー!さっそく撮影データをまとめて画像とともにプロジェクトに報告しました。

  <撮影メモ> インターバル・待ち受け撮影
  <撮影日時(露出中央)> IMG_9341 2014/04/15 04:50:58
                     視野角 12.1°×8.1° 上側が北
  <撮影機材> レンズ: Pentax 67, 105mm/F2.5  フィルター:  LPS-P2
            カメラ: Astro 40D(冷却 Canon EOS 40D)
            露出: ISO 1600 インターバル撮影(10秒露出、1秒休止)

  プロジェクトからメールがきました。

  A 様
  ーー略ーー、ソ連の軍事衛星cosmos1271を打ち上げた「ボストーク8A92M型ロケット部分」と思われます。1981-046B、No.12465です。
  1981年5月19日打ち上げ。周期95.4分、軌道傾斜角81.23度、遠地点高度514km、近地点高度562kmとなっています。通常4〜5等級で見えることが多いようです。計算による予報時刻より2分以上早いので、残念ながらSTARS-IIではないと思います。
  落下が迫っている衛星は、大気の抗力で軌道が変化する傾向が強くなってしまうのですが、新鮮な軌道要素(一日以内)を使っていれば20秒以上ずれることはなかなかありません。

  ガーン、失敗してしまいました。自信?はあったのですが。衛星はかなり暗いようで、現状の機材では撮影は無理かもしれません。
  しかし、他のロケット部分(R/B)が写ったので、これはこれで一つの収穫でした。スリル満点、またチャレンジしたいと思います。


  



 画像をクリックすると拡大します。

2.徳島県の山本様から、簡易な衛星信号の受信方法について、ご報告がありましたのでご紹介します。
 (受信に許可は必要ありません、アマチュア無線をされている方、ファミリーなどでキャッチしてみませんか、きっと新しい世界が開けます。)

 
 今回、一般向け初心者の受信についてまとめてみました。
                2014.02.07 徳島県 山本幸次 

 <受信機>
  アマチュア帯を受信出来るものなら受信可能。
  CW機能が無い場合、FMでも受信だけならできます。
  この場合、ノイズとクリアの繰り返しで信号で有ることが分かります。
  安価な無線機でも受信確認しています。

 <アンテナ>
  モービルアンテナ等で受信可能。
  ハンディ無線機のホイップアンテナでの受信も確認しています。
  (ホイップアンテナの場合、耳が慣れてないと判別出来ない場合が有るので聞き分け出来るように練習が必要)

 <衛星の位置>
 「JavaScriptで人工衛星の位置を表示する」    
   
http://homepage2.nifty.com/m_kamada/javascript/satellite/

  このサイトで確認可能です。
  スマホでアプリ無しでも表示出来ます。
  プルダウンがら33498、テザー宇宙ロボットを選択。
  受信するには十分な精度です。

 <ソフトウエアラジオ>
  USBワンセグチューナーを利用した受信機ですが、衛星の電波を受信するには感度が低すぎます。
  USB広域帯受信専用チューナーとアンプを使うと受信可能になります。
  受信状況を画面に最大2MHzの幅で表示できるので便利です。
  (ドップラー変化も目で見えるのが面白い)

 <電波のレベル変化>
  モービルアンテナで受信を続けていると、3〜5週間隔で受信不可能時期が1〜2週間現れます。
  (太陽電池パネルの方向で発電量が変化し送信出力が変化しているのではないかと先日教えて頂きました)
  長期間データを収集すれば、衛星の姿勢が見えてくるのではと考えています。

 


1.徳島県の山本さんは、望遠鏡の自作が得意です。既に口径25cmという巨大な双眼鏡や大型ドブソニアンを数多く作り上げています。眼視一本の筋金入りの天文ファンです。
 今回、天文ルートから、香川人工衛星プロジェクトに関心を持たれ、衛星からの電波をポータブルのアンテナと受信機で聴いてみようと思われました。
 それからは、必要な機材を揃えたり、軌道計算ソフトの勉強をされたりして、先に打ち上げられたSTARS(KUKAI)からの電波を安定して良好に受信できるようになりました。
 そして、仕事でお忙しい中にもかかわらず衛星開発プロジェクトに参加し、野外での受信状況を報告していただいています。
 今は、2月に打ち上げられるSTARS-IIの声を、いち早く聴きたいとシステムの改良に余念がありません。
 皆さんも一度、宇宙からの衛星の声を聴かれてはいかがですか。













       
   

  









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